初心者向け専門用語解説:3Cとは?

初心者向け専門用語解説:3Cとは?

マーケティングとか経営戦略を学んでいると、すぐに目にするのがこの3Cです。

いろんなフレームワークがある中でも、もっとも基本的で、もっとも大事なものですね。

でも、それなのに、イマイチ活用しにくいと思う人も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は単なる用語解説ではなく、もう少し使いやすい形でお伝えします。

ただし、あくまでも初心者向けにシンプル&簡単に紹介する簡略版です。

だから、ばっちり実務に活かしている人は、そのままのやり方でやってくださいね。

基本的な3Cの意味

まずは基本から押さえましょう。

3Cとは、次の3つを指します。

・自社:Company
・顧客:Customer
・競合:Competitor

それぞれの頭文字をとって3Cなんですね。

この3つを正しく把握できていないと、ビジネスの戦略は立てられないんです。

でも、多くの人は、この3Cを整理して終わってしまいます。

キレイに情報を書き出して、「で?」ってなっちゃうんですね(笑)

実は、ここが3Cの弱点なんです。

活用する前提で整理しないと、まったく使えないものになってしまうという…。

だから、初心者の人はフレームワーク嫌いになるんでしょうね。

3Cをもっと具体的に考えてみよう!

自社(Company)は「お客様視点」と「自社視点」で考える

3Cの中でも、もっとも考えにくいのが自社です。(私の主観ですが…)

自社の情報を書き出したところで、「だから何なんだろう?」ってなりがちなんですよね。

なので、ここでは「お客様」と「自社」の2つの視点で整理します。

■お客様から見た自社

ここでのポイントは、「お客様が自社を選ぶ理由」を把握することです。

今のお客様がどうして他社ではなく、あなたの会社を選んでくれているのかを知りましょう。

この選ぶ理由こそが、お客様があなたの会社に期待していることになります。

つまり、この「選ぶ理由」に反するような施策は取るべきではありません。

実は、大塚家具の社長が代わってから、メスを入れたのがここなんです。

高級志向で、顧客と密な接客をしていた大塚家具が、低価格路線にシフトチェンジしたのは驚きでした。

だって、今までのお客様は、高級志向で密な接客がよくて、大塚家具を選んでいたはずだから…。

よほどの勝算がない限りは、お客様から期待されていることを変えないようにしましょう。

■自社から見た自社

これは、いわゆるセルフイメージというものです。

自社をどういう会社と位置付けているのか、ということですね。

分かりやすい例でいうと、ディズニーです。

ディズニーの場合、一般的には「テーマパーク業」と「映像業」ですね。

でも、これは外から見たイメージであって、ディズニーにはその認識はありません。

彼らにとってのテーマパークや映像は、手段でしかないんです。

ディズニーのセルフイメージは、「幸せ提供業」です。

つまり、ゲスト(お客様)が喜んでくれることをするのが彼らのミッションなんです。

だから、せっかく夢を見にきているゲストが現実に引き戻されないように、業務用の荷物の移動やゴミの移動はすべて地下通路で行われます。

同性同士の結婚式だって行います。

アイスショーもするし、成人式もします。

まさに、来る人や見る人に幸せを提供するのがディズニーなんです。

なぜ、このセルフイメージが大切なのでしょうか?

それは、長期的に見て自分たちがやるべきことと、やるべきでないことが考えられるからです。

たとえば、ある印刷会社があったとしましょう。

彼らが「俺たちは印刷業だ!」と思えば、彼らはずっと紙を刷り続けるだけでしょう。

でも、彼らが「俺たちは情報媒体業だ!」と思っていれば、どうですか?

時代を先取りして、情報のデータ化なんかにも手を出したかもしれません。

もちろん、今さらデータ化に乗り出しても遅いですけどね。

長期的に見たときに、先取りできるようにするためにも、セルフイメージが大事なんです。

お客様視点は短期的に、自社視点は長期的に役に立つ

お客様から何を期待されているのか、というのは「今」自社がどうあるべきかを考えるときに押さえましょう。

そして、長期的に自社がどの路線をたどるべきか考えるときに、セルフイメージが役に立ちます。

もちろん、本当の3C分析では、自社の資源とかオペレーションとか、考えることはたくさんあります。

しかし、まずはこの2つだけでもしっかり押さえて、自社がどうあるべきかを考えてください。

顧客(Customer)は「お客様」と「市場」で考える

2つ目のCはCustomerなので、お客様のことだけだと勘違いすることが多いですね。

でも、このCには「市場」という側面もあるんです。

あまり好きな表現ではありませんが、「釣った魚を分析しても、水中に魚がいないと意味がない」んです。

だから、今のお客様と市場の両方を知らないといけません。

■今のお客様については悩みを重点的に知る

お客様が抱えている悩みで、自社に解決を期待しているものは何かを把握しましょう。

もちろん、年齢層や収入など、人物像をはっきりさせることも大切ですが、何よりもまずは「悩み」です。

だって、その悩みがあるからこそ、あなたのビジネスはビジネスとして成り立っているわけですから。

■市場についてはトレンドを見る

たとえば、基礎化粧品でいうと、ちょっと前までは「ラインナップで手間ひまかけてケア」が主流でした。

でも、今では「手軽に短時間でケア」が主流です。

きっと、この流れは今後もほとんど変わらないでしょう。

もっと言うと、「手軽に短時間なのにしっかりケア」ができるようになっていくはずです。

こうやって、市場がどんな流れをたどってきたのかを知ると、今後どう流れていくのかも予測できます。

ただし、注意してほしいことがあります。

それは、ブームとトレンドを履き違えないようにすることです。

ブームって、あるとき突然に終わりを迎えます。

分かりやすいところでいうと、mixiやFacebookはブームです。

これらは代替的な新しいものが誕生すれば終わりますよね。

そうではなくて、流れがあってゆるやかに変わるのがトレンドです。

ブームを取り入れるのは大いに結構ですが、ブームに乗って(依存して)しまうのは間違いです。

長期的にビジネスを大きくしたいなら、トレンドに乗ってブームを取り入れましょう。

競合(Competitor)は「状況とその理由」を押さえてから「差別化」を考える

■状況とその理由を押さえて、スキを見つける!

競合を調査するときに、もっとも大事なのは「状況」と「その理由」です。

競合がどんどん成長しているなら、成長の理由を知りましょう。

逆に、どんどん衰退しているなら、衰退の理由を知りましょう。

そして、そこに自社がつけ入るスキがないかチェックしてみてください。

■差別化する

差別化って、いろんなところで聞きますよね。

みんな差別化するのに躍起になっています。

競合の状況とその理由を知る中で、相手の強みや弱みが見えてきたら、差別化を考えましょう。

ただし、差別化についても注意が必要です。

意外に、「意味のない差別化」をしている会社も多いんですよね。

極端な例でいうと、「世界初!ガラスのスニーカー」とか。

いくら履き心地のいいガラス製スニーカーができたところで、ブームにはなっても長期的な強みにはなりません。

でも、「通気性がいいのに完全防水を実現したスニーカー」なら差別化になります。

大切なのは、「お客様にとって価値のある差別化」をすることです。

独りよがりな差別化にいくらコストを投じても意味がないので、注意してくださいね。

3C分析で「今」にも「未来」にも強くなる

3C分析を細かく行うと、本当に大変です。

あらゆるデータが必要になりますからね。

でも、ここをきちんと押さえると、あなたの会社は一段と強くなるでしょう。

もし、3C分析をしたことがないなら、ぜひ今回ご紹介した簡易版でもいいので、簡単に分析してみてください。

そうすれば、新たな視点が見えてくるかもしれません。

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