ビジネスをある程度やっていると、1度は広告を出すことになりますよね。
ほとんどの中小企業やひとりビジネスのオーナーさんって、広告のプロではありません。
だから、広告を出すときには、制作業者に任せきりになったり、見当違いな指摘をしたりすることになります。
あるいは、自身で広告をつくるときには、自己満足な広告になって、反応が得られない…なんてことも…。
そうならないためにも、経営者であるあなた自身が、「広告を見る目」を持ってください。
自身でつくるときもそうですし、業者につくらせるときもそうです。
あなたが広告をチェックしていて、OKを出してもいいのか、修正させないといけないのか、最低限の判断基準を持ちましょう。
今回は、そんな広告チェックの視点をご紹介します。
もちろん、細かいチェックポイントまで説明すると難しくなってしまうので、ここが1番大切!というポイントに絞ってご紹介します。
目次
広告でもっとも大切なポイントは1分でチェックできる
私が化粧品通販会社で広告をつくっていたとき、ほぼすべての原稿に社長自らがチェックを入れていました。
1発OKが出ると湧き上がるくらいに、それはそれは難関だったんです(笑)
そんな社長による原稿チェックプレゼンですが、どのくらいの時間を割いていたと思いますか?
1つの原稿に対して、約1分が標準です。
長くても3分ですね。
それだけの短時間では、当然ですが細部まではチェックしません。
広告における大切なポイントに絞ったチェックがなされます。
でも、そこで入る指摘によって、紙面がガラリと変わることだってあるんです。
それくらい、広告の本質的な部分にチェックが入るってことなんですね。
なので、同じく社長であるあなたにも、この「本質的なチェック」ができるようになってもらいたいと思います。
広告をチェックする上で1番大切な視点
では、そんな本質的なチェックをするための視点って、何なのでしょうか?
そのヒントは、読み手が広告を読むときの行動にあるんです。
人は広告をすべては読まない!
広告を書いている者にとっては、耳の痛い話です。
あなたも自分の行動をよく思い出してほしいのですが、広告を隅から隅まで読んでいますか?
たまにはそんな広告もあるでしょうが、だいたいは流し読みをして、気になるところだけ重点的に読んでいませんか?
でも、その一方で制作者にはあるマインドが叩き込まれています。
それは、「すべり台をすべるようなコピーを書く」です。
1文目は2文目を読むためにあり、2文目は3文目を読むためにある、と言われます。
そんな流れるように読み進める広告が優れた広告だと教え込まれているはずです。
これは確かに事実です。
流れるような文章構成は、広告の鉄則なんです。
でも、それでも人は広告をすべては読みません。
この人の行動の特徴を無視して、広告の鉄則ばかりに忠実に書いてもダメなんです。
大切なのは、「すべてを読まなくても心動かされる広告を書くこと」です。
優れた広告は「流し読み」で心が動かされる!
人が広告を手に取ったとき、まっ先に目にするのはヘッドラインとかメインキャッチと呼ばれる見出しです。
その次に、サブヘッドとかサブキャッチと呼ばれる小見出しを読みます。
そして、その途中にある写真やイラストを全体の流れの中で目にしていきます。
最終的に、視線は最後のオファーという商品や価格の紹介スペースに落ち着きます。
つまり、ボディコピーと言われる細かな文章にはあまり目が留まりません。
ということは、広告でもっとも力を入れて設計しなければならないのは、次の4つなんです。
・ヘッドライン(見出し)
・サブヘッドライン(小見出し)
・ビジュアル(写真・イラスト)
・オファー(商品・価格・特典など)
これだけを順に読んでも、ワクワクするような広告こそが、最高の広告なんです。
一般的に、ヘッドラインにこだわった広告は多く見かけますよね?
でも、サブヘッドはどうですか?
よくある過ちの1つは、サブヘッドを「単なる要約」にしてしまっているケースです。
広告は国語ではありません。
意味が分かるだけではダメなんです。
大切なのは、心を動かすことなんですから。
では、どうすべきか?
答えは簡単です。
そのエリアで伝えている内容で、「もっとも魅力的なこと」を切り出してください。
相手の注意をひきたいがために、サブヘッドでこれでもか!というくらいに危機感を煽ってくる広告があります。
これは絶対にやめましょう。
危機感ばかりでは心が動くことはありません。
むしろ、喪失感や絶望感を抱かれてしまいます。
危機感を入れるとしたら、ヘッドラインや1個目のサブヘッドだけにしておきましょう。
こうして、ヘッドラインからサブヘッド、ビジュアル、オファーと流れるようなストーリーを設計することがポイントです。
なので、あなたが広告の原稿をチェックするときには、「流し読みだけで欲しくなるか?」という視点でチェックしてください。
ビジュアルにこだわる
1点だけ補足です。
それは、広告に使うビジュアルにこだわりましょう!ということです。
ビジュアル情報は、文字情報よりもたくさんの情報を伝えられます。
それに、文字ばかりの情報って、読みたくないじゃないですか?
ビジュアルがあることによって、グッと読みやすくなるんです。
だから、文章で説明しているものをビジュアル化したり、商品によって手に入る未来をビジュアル化してあげてください。
オファーも同じです。
魅力的に見えるように、オファーのビジュアルには特にこだわりましょう。
これは物販だろうと、サービス業だろうと同じです。
ビジュアルのないものも、工夫してビジュアル化するんです。
たとえば、弁護士だったら、六法全書をかたわらに置いてクライアントと面談している風景の写真でOKです。
弁護士バッジでもいいですね。
あるいは、音声データがオファーだったら、iPodのイラストみたいなものをイメージとして使えばいいじゃないですか。
やり方はいろいろあるはずなので、ぜひ知恵を絞ってくださいね!
流し読みの次のステージが中身の文章
今回は、流し読みで欲しいと思わせることが大切だとお話をしました。
ですが、流し読みで欲しいと思わせられたら完璧というわけではありませんので、注意してくださいね。
当然ですけど、全部とは言わなくても、中身を読む人はたくさんいます。
そういった人たちに「なぁんだ」と思わせないように、中身もブラッシュアップすべきです。
ただ、あくまでも、影響力の大きな部分のチェックとして、まずは流し読みのチェックをするようにしてください、ということです。
あなたは広告で1番大切なところをチェックできていますか?